陽月の創作裏話

カクヨムに投稿したあれこれの裏話。
この発想から、ああなって、こうなりましたみたいなのです。

冷酷な不等式

自主企画「短編SF書きのための「方程式もの」アンソロジー」用作品


別にSF書きというわけではないのですが。


【方程式モノ】

「燃料や食料、酸素に余裕のない航行中の宇宙船に密航者が紛れ込んでいた。密航者のために人員超過となり宇宙船は目的地へ行けなくなる。どうするか?」という設定のもと、密航者の処遇を中心にストーリーが展開される。(Wikipediaより)

とのことですが、「どうするかって、そんなの密航者はバイバイに決まってるやん」と、即座に思ってしまいました。
そして、問題は密航者により消費され、足りなくなった分をどうするかだと。


そのために、どうしようもなくなる設定を考えることに。ここで、「密航者が助かる為の設定を考える」から逸脱してるんですよね。
密航者に消費されて足りなくなる為には、そもそもの準備が少なく(=乗員が少ない)、密航者が予備以上に消費するだけいなければならない。
ある程度長期間密航者が潜む為には、密航者の増加分の影響が見えにくくなければならない(=乗員が多い)。
引き返すわけにはいかない理由が必要である。


その結果、密航者と同じ食料と水を消費する人員は3名に押さえ、点滴の患者を15人にすることに。これで、エネルギーの減りとか酸素の減りを誤差だと思えるくらいにしつつ、水と食料を足りなくしたわけです。
患者は確実に生きられる期間と、これ以上はまず無理という期限を定めることにより、引き返せば患者15人分の命が助からないように。


宇宙船への密航への刑に死刑を入れたのは、それがないのに他の選択肢が無い場合は宇宙へ遺棄できるというのは、ダメだろうと。
殺人並みに重いのは、放火と同じでそれだけ大勢の命を危険にさらすから。


密航者に気密服を着せ、宇宙空間でカウントダウンをさせるより、できるだけ苦しませずに意識を奪って、そのまま死ぬようにする。
密航者のせいで密航者を排除したところで足りなくなっていることを教えない。
この二つは、そういう優しさのつもりです。


父親に会わせず、人は残酷な判断をできないとしています。
開拓班が毒を浴びた事故、決まりでは誰かが倒れたらまず逃げる。助けるのは自分が安全に助けられる状態になってから。
それができなくて、助けようとして、結果被害が大きくなって、持ち込んでいる解毒剤では足りなくなってという設定になってます。(本文には書いていませんが)


後は、患者15人を運ぶのが航海の目的であるを一番に、どうするのが良いだろうかの方向で。
あと、操縦士はきちんと何があったのかを説明する責任があるので、簡単には死を選ばせない方向で。


そんな感じでできあがった作品がこちら↓

千字と三千字で同じ物語り用に書いた千字版がこちら↓